加藤 信介(カトウ シンスケ)

1953年生まれ, 愛知県瀬戸市出身

東京大学生産技術研究所 副所長, 人間・社会系部門 教授

メールアドレス:

顔写真

プロフィール

  • スポーツ: ボート競技を経験したことがある。ゴルフ(飛ばすだけが生き甲斐)
  • 読書: 興味ある分野、現在はサイエンス書, 随筆, ハードボイルド
  • 推薦の一冊: 椿姫(小デュマ), 利己的な遺伝子(ドーキンス), マリア・カラス・コンクール(中丸三千繪), エントロピーと秩序(アトキンス)
  • 座右の銘: 独創性は模倣の積み重ね
  • 信条: (人生)相互理解(まず人の存在を認め理解する)
  •         (仕事)因果の関係を解きほぐす
  • 購読誌・紙: 日経新聞, 日経サイエンス, 日経パソコン, 日経アーキテクチャー, 文藝春秋, 諸君

略歴

  • 1971年 愛知県立旭ヶ丘高校卒業
  • 1975年 東京大学工学部建築学科卒業
  • 1980年 東京大学大学院工学系建築学専攻修了
  • 1980年 東京大学助手
  • 1982年 東京大学生産技術研究所計測技術開発センター助手
  • 1985年 東京大学生産技術研究所環境制御物理学部門講師
  • 1987年 東京大学生産技術研究所環境制御物理学部門助教授
  • 1998年 東京大学生産技術研究所計測技術開発センター助教授
  • 1999年 東京大学生産技術研究所環境制御物理学部門教授, 同計測技術開発センター教授兼務

主な研究分野

  • 建築と都市の環境感性に関する研究
  • 室内の換気・空調効率に関する研究
  • 建物内空気流動のマクロ・ミクロ統合解析
  • 建物内伝導・対流・放射連成全熱移動シミュレ-ション
  • アトリウム・大空間の温熱・空気環境調整
  • 建物内煙・火炎流動シミュレ-ション
  • 乱流シミュレ-ション
  • 超並列計算機処理
  • 室内空調システム制御
  • 室内環境制御に関するAI・エキスパ-ト
  • 建物通風換気
  • ビルディングエアロダイナミックス

研究活動

 加藤信介教授は、昭和50年3月東京大学工学部建築学科を卒業後、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程に進学し、昭和52年3月同課程を終了した。引き続き同博士課程に進学し昭和55年3月に「数値解析手法を用いる室内空気分布予測法に関する研究」により工学博士の学位を授与された。

 加藤信介教授は昭和55年5月東京大学工学部建築学科に助手として採用され、昭和57年11月東京大学生産技術研究所計測技術開発センター助手に転任し、環境物理計測に関する計測技術開発に従事した。昭和60年8月東京大学生産技術研究所環境制御物理部門講師に昇任し、建物内外の物理環境の解析・制御に関する研究に携わり、昭和62年5月同部門助教授に昇任した。平成10年4月には東京大学生産技術研究所計測技術開発センター助教授に転任した。平成11年4月東京大学生産技術研究所環境制御物理部門教授に昇任し、計測技術開発センター教授を兼務している。

 加藤信介教授は、建物内外の物理的な環境を計測し、人体との関係から解析・検討する研究、建物に関するエネルギーと資源利用の最適化研究、建物や都市の火災・煙性状の解析・予測並びに拡大防止と安全避難技術の開発研究、さらにはこのような研究の基礎となりまた汎用な工学技術である、流体の非線形連立偏微方程式を高速計算機や並列計算機を利用して数値シミュレーションにより解析する手法開発、複雑な3次元乱流現象を数値解析するための乱流モデル開発などに携わってきた。

 建物内外の物理環境計測に関する研究では、室内気候に関する模型実験における相似条件の整理並びに実験法の開発、レーザ光を用いる流れの可視化手法の開発、レーザー流速計及び極細温度計を用いた室内の3次元乱流性状および乱流熱輸送性状の計測・解析法などを開発している。特にレーザ光による可視化手法開発は半導体製造用クリーンルーム環境制御のための基本技術となるものであった。また主流の不明確な3次元室内乱流における乱流性状及び熱フラックスの計測結果は、世界的にも類例のないものであり室内気流や、室内火災・煙流動の数値解析手法のバリデーションデータとして広く用いられている。

 建物内温熱空気環境の基礎となる室内気流の解析と制御に関する研究では、基礎となる乱流モデルに関して温度成層など非等方性の強い3次元流れに適応可能な乱流モデルを新たに開発し、これを並列計算機を効率的に利用して高速解析する技術を開発し、更に膨大なシミュレーション結果を環境設計にフィードバックするため換気効率指標、室内環境形成効率指標を開発している。この室内換気効率指標、室内環境形成効率指標は、環境シミュレーションを環境設計結果の建設前確認手段から環境設計を合理的に行うための具体的手法に変えるもので、これまでにない着眼点から発想されたものであり、優れて独創的なものである。

 これら一連の研究は、今日、建築環境・設備分野で日常的に行われる様になった建設前の室内環境の数値シミュレーション予測とその設計へのフィードバックの基礎を築くものであり、通算7回の空気調和・衛生工学会論文賞受賞および平成9年度日本建築学会賞の受賞により顕彰されている。

 最近では、この環境シミュレーションに人間の生理・心理作用などの人間感性を組み込む環境・人間系総合シミュレーションの開発を行っている。建物エネルギ使用削減に関する研究では、風など自然エネルギを有効活用して環境制御を行う研究を行っており、IEA国際エネルギ機関における国際共同研究の主要なメンバーともなっている。また火災・煙流動予測・制御研究においては、従来経験工学的要素が強い煙流動解析・制御に対し、流体数値シミュレーション手法を適用して合理的に行うための条件整備研究を進めており、従来の煙予測・制御手法を一新するものとして期待されている。  

受賞

  • ASHRAE 1997 Crosby Field Award (米国空調学会1987最優秀論文賞)
  • 空調学会賞論文賞 「対流放射連成解析による室内温熱空気環境の研究」 1998年
  • 日本建築学会賞(論文) 「室内の流れ場・拡散場・温度場の数値解析手法の開発と応用」 1997年
  • 空調学会賞論文賞 「換気効率に関する海外研究動向」 1997年
  • 空調学会賞論文賞 「大規模市場における自然換気・自然採光」 1995年
  • 空調学会賞論文賞 「コンベンショナルフロー型クリーン内の気流性状に関する研究」 1994年
  • 空調学会賞論文賞 「天井面給排気による局所流量バランス方式クリーンルームに関する研究」 1992年
  • 空調学会賞論文賞 「移流の卓越する室内気流における沈降を伴う浮遊微粒子の拡散」 1991年
  • 日本建築学会奨励賞 「差分間隔に伴う数値誤差の指定・評価方法並びに移流項差分おける一次精度風上、QUICK,中心差分スキーム等の比較検討」 1990年
  • 空調学会賞論文賞 「換気効率の評価モデルに関する研究」 1988年